ニキビ(痤瘡)の基礎知識を網羅しよう!原因・種類・特徴
思春期の子供や20代の大人を悩ませるニキビ(にきび)。
間違ったニキビケアを行っている人も多く、症状が悪化したり、いっこうに治らなかったりすることも多いです。
ニキビは誰にでも起こりうるお肌のトラブルの一種ですが、放置していると炎症が進み、ニキビ跡が残り後悔することも…。
ニキビを適切にケアするためにもニキビに関する正しい情報を知っておきましょう。
知っておきたいニキビの基礎知識
まずはニキビそのものに関する情報として知っておきたい知識をご紹介します。
ニキビの正式名称とは?
一般的にはニキビと言われているのですが、正式名称としては「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」と呼びます。
尋常性というのは普通のという意味です。
ニキビと吹き出物の違いは?
ニキビと症状は同じですが、別名称として吹き出物と呼ばれたりします。
なんとなく吹き出物と言われるのは嫌な感じですよね。
厳密なニキビと吹き出物の定義というのはないようですが、
一般的には思春期にできる「ざ瘡」をニキビと呼び、20代以降でできる「ざ瘡」を吹き出物と呼び分けています。
ニキビのメカニズム(原因は皮脂とアクネ菌)
ニキビの原因にはアクネ菌という皮膚常在菌があります。
皮膚常在菌というのは誰の皮膚にも棲みついている菌のことを指します。
誰にでもアクネ菌が棲みついているにも関わらず、ニキビができる人、できない人がいる理由としては、皮脂が関わっています。
アクネ菌というのは酸素を嫌う「嫌気性菌」です。
そのため、皮膚の表面に堂々といるわけではなく、普段は毛穴の中などなるべく空気に触れないような場所に潜んでいます。
ところが、脂性肌など過剰な皮脂分泌が行われると毛穴の中は皮脂で埋め尽くされます。
皮脂で埋め尽くされて空気が入ってこない状態となるとアクネ菌にとってはこの上ないほどに棲みやすい環境が整います。
そのうえ、皮脂はアクネ菌にとって餌となるので、食べ物はあるし、環境も最高とくれば、アクネ菌はどんどん繁殖します。
アクネ菌が毛穴の中で繁殖していくとそれによって炎症が起こります。
それがニキビというわけです。
ニキビのできやすい部位
ニキビは基本的に身体の中でも皮脂分泌が多い箇所にできやすいです。
顔でいうのであれば「おでこ」「眉毛付近」「鼻」「あご」といったTゾーンが皮脂分泌が多い為ニキビができやすいです。
あとは胸の上部などデコルテ部分も皮脂分泌が多くニキビができやすい箇所です。
背中も背中ニキビという言葉があるくらい皮脂分泌が多くニキビができやすいです。
他にも「おしり」もニキビができやすくお尻ニキビという名称で呼ばれたりもします。
皮脂分泌が多い箇所にニキビはできやすいですが、皮脂腺がある部分であればどこにでもできる可能性はあります。
段階ごとのニキビの名称と特徴
ニキビにも段階があるということを知っていますか?
自分で現在のニキビの状態を把握し適切な対応ができるようにするためにも知っておきましょう。
白ニキビ
毛穴が塞がりプクッと表面が出っ張り、白っぽく見えるニキビのことを白ニキビと呼びます。
この段階はまだ炎症を起こしておらず、単に毛穴が皮脂と角栓で詰まってしまった状態です。
ニキビのメカニズムの中でも最も初期段階と言えます。
白ニキビの状態時に上手に潰し、中に詰まった皮脂を取りだしてあげることができれば、ニキビの進行を止めることができます。
ですが、ヘタに潰してしまうと、逆効果で皮膚を傷つけ炎症を起こさせることにもなりますので、注意が必要です。
黒ニキビ
黒ニキビは白ニキビとほとんど同じですが、毛穴の入り口付近の皮脂が酸化し黒ずんだ状態を指します。
まだ炎症が起こっていないので白ニキビ同様、上手に毛穴の詰まりを取り除いてあげることで悪化を防ぐことにつながります。
赤ニキビ
赤ニキビは白ニキビや黒ニキビからさらに進行した状態です。
赤く見えるのは炎症で、皮脂を餌にアクネ菌が増殖し悪さを始めている状態です。
触ったり潰そうとすると傷みが生じますし、この状態になると潰すのはニキビ跡を作ってしまったりなどの逆効果となり得ます。
炎症が起こっているので、病院や薬局でニキビの炎症を抑える薬をもらって治療することが大切です。
早期の治療を行うことで炎症を素早く鎮めてそれ以上の悪化を防ぐことにもつながります。
黄ニキビ
黄ニキビは赤ニキビからさらに悪化した状態です。
黄色く見えるのは膿が溜まっているからです。
炎症が拡がり真皮にまで達することがあり、真皮が傷つくと高い確率でニキビ痕が残ります。
黄ニキビは相当にヤバい状態だと認識し、ニキビ跡を残したくないのであれば、触ったり潰したりすることなく、即病院の受診が必須です。
年代別ニキビの特徴とは?
人生の中でニキビのできやすい3つの時期があります。どれも原因は過剰な皮脂なのですが、過剰な皮脂分泌が起こる理由が異なります。
新生児ニキビ
その名の通り、新生児期の赤ちゃんにできるニキビです。
どうして新生児期という産まれて間もない赤ちゃんの皮脂分泌が多くなるのかというと、胎児として母親のお腹の中にいた頃に受けていたホルモンの影響とされています。
ホルモンの影響によって皮脂分泌が多くなるため、ホルモンの影響がなくなっていくにつれて皮脂分泌量も少なくなっていき自然と治まることが多いのが新生児ニキビです。
思春期ニキビ
これもその名の通りで、子供から大人へと身体や声など様々な変化が起こる思春期にできるニキビです。男性・女性に関わらずできやすいニキビです。
成長ホルモンがたくさん分泌されることで皮脂分泌が多くなります。
ただし個人差も大きく、思春期に肌がギトギトになるほどの脂性肌になる場合もあれば、それほど皮脂分泌が多くならない場合もあります。
大人ニキビ(吹き出物)
20代以降にできる吹き出物のことを大人ニキビと呼んだりします。
まだ20代は男性ホルモンなどホルモンの分泌が盛んだったりもするので、その影響もありますが、自立したり、社会人になったりと生活環境や食生活などに変化が生じやすく、職場でのストレスなども抱えやすいため、皮脂分泌が過剰になったりします。
脂っこい食べ物ばかりを食べるなどの偏食は過剰な皮脂分泌にもつながりますし、睡眠不足も皮脂分泌が多くなる原因の一つです。
様々な要素が複合して皮脂の過剰につながっていることが多いので、一つ一つ見直していくことが必要となります。
ニキビ跡を残さないための対策
炎症が起こったニキビを放置しているとニキビ跡が残る原因にもなります。
ニキビ痕は真皮にできた傷であり、基本的に一度できると自然に治ることはありません。
なんらかの理由によって真皮の細胞が活性化するという奇跡や運に頼らざるを得ないのがニキビ痕です。
ニキビ跡が残って後悔しないためにもしっかりとニキビ予防や治療が必要となります。
大事なのは予防と治療をきちんと区別することです。
予防と治療をごっちゃにしてしまっており、間違った対策をしていることが多いです。
ニキビ予防
ニキビ予防の基本はお肌を清潔に保つことです。
お肌表面を綺麗にすることも大事ですが、毛穴が角栓などで塞がれて皮脂が溜まってしまわない様に古い角質が正常に剥がれていくように新陳代謝の活性化を心掛けることも大切です。
新陳代謝には日々の生活習慣が大きく関わってきますので、生活習慣の見直しが必須です。
お肌を清潔に保つためには洗顔やボディソープといった洗浄系化粧品が活躍します。
ありがちな失敗としては、洗浄力が強すぎる洗浄剤を使用することが挙げられます。
お肌を清潔にすることは大事ですが、洗い過ぎや洗浄力の強すぎは皮脂だけでなく、お肌に必要な潤いまでも奪ってしまい、お肌の負担にもなり、お肌を弱らせることにつながるため、余計にニキビができやすいお肌にしてしまいます。
皮脂が気になるからといって、何度も洗顔料を使って洗顔したりするのではなく、油取り紙や皮脂を取ってくれるパフなどを上手に使って洗い過ぎない様にしましょう。
ニキビの治療
ニキビで炎症が起こってしまった場合は治療が必要となります。
よくある間違いとしては、炎症の起こったニキビに対して洗顔などの化粧品でなんとかしようとすることです。
炎症が起こったニキビはいくら洗っても、いくら保湿しても炎症を抑えることはできません。
むしろ保湿化粧品に含まれるオイル成分次第ではニキビを悪化させることにもなりかねません。
炎症に対しては炎症を抑えるための治療薬が必要なので、皮膚科で処方してもらうか、薬局で相談するなど、専門家の指示に従って対処することが必要です。
洗顔などのスキンケアというのはあくまでもお肌の状態を良い状態に保つためのサポートであり、薬ではないということはしっかりと認識しておきましょう。
アクネ菌が原因ではないケースも!
ニキビとは異なるのですが、ニキビと間違われやすい症状として脂漏性皮膚炎があります。
特に顔や背中の脂漏性皮膚炎の場合は白い湿疹ができるため、白ニキビと勘違いすることがあります。
脂漏性皮膚炎の原因はマラセチア真菌というカビの一種であり、脂漏性皮膚炎で白く見える湿疹はカビによるものなので、白ニキビのように潰したりできません。
脂漏性皮膚炎は専用の治療が必要となりますので、ニキビ治療を行っていてもいっこうに良くならない場合には脂漏性皮膚炎を疑うことも必要となります。