洗顔料を使った洗顔は一日1回まで?それとも朝・夜の2回?
皆さんの多くは朝起きてメイクをする前と、夜の入浴時に洗顔を行っているかと思います。
ですが、夜は洗顔料を使うけど、朝は水だけで洗っているという方もいらっしゃれば、朝も夜もしっかりと洗顔料を使って洗顔していますという方もいらっしゃいます。
では、正しいスキンケアとしてはどちらが正解なのでしょうか?
洗顔料を使う理由を考えよう
水だけで洗う洗顔と洗顔料を使って洗顔料を行う違いはなんでしょうか?
それは皮脂汚れを落とす洗浄力の違いです。
洗顔時に冷たい水を使っていると皮脂汚れは落とせません。
皮脂の融点はだいたい34℃と言われており、34℃以上になるとある程度皮脂汚れを水だけでも落とすことができるようになります。
ただし、34℃では水に皮脂が溶け出すというレベルでそんなに強い脱脂力はありません。
洗顔時に最も適した温度は34~38℃のぬるま湯なので、あまり皮脂汚れを落とすのは期待できません。
※洗顔時の水の最適な温度については下記をご参照ください。
≫洗顔時に使用するのは冷水・熱いお湯・ぬるま湯どれが正解?
もちろん熱めの水を使用すると皮脂汚れを落とす力は増しますが、皮脂以外の皮膚の潤い保持に大切なセラミドや天然保湿因子も一緒に洗い流し乾燥肌の原因ともなるため、おすすめできません。
というわけで、水の温度に左右されず、皮脂汚れを落とすために洗顔料を使用して洗顔を行うわけです。
どうして洗顔料を使うと皮脂汚れを落とすことができるかというと、界面活性剤という水にも油にも馴染む性質のある成分を配合しているからです。
洗浄力は界面活性剤の種類によって異なってきます。
石鹸や高級アルコール系界面活性剤と呼ばれるラウリル硫酸Naやラウレス硫酸Na、ラウレス硫酸アンモニウム、さらにオレフィン(C14-16)スルホン酸Naといった成分は洗浄力が強い成分です。
一方でアミノ酸系界面活性剤の一部成分やベタイン系界面活性剤と呼ばれるコカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、グルコシド系界面活性剤のデシルグルコシドなどの洗浄力は強すぎずマイルドです。
乾燥肌の方が洗浄力の強い界面活性剤を使用した洗顔料を使っているとますます乾燥を悪化させる場合がありますので、要注意です。
朝の寝起きの顔の状態とは?
上記で説明したとおり、洗顔料を使うのは皮脂汚れを落としやすくするためです。
では、朝の洗顔時に洗顔料を使うべきかどうかは朝起きた際の顔の状態次第と言えます。
寝起きの顔の肌というのはどのような状態かというと、意外と皮脂と汗まみれな状態です。
というのも、いくら夜に入浴し洗顔し綺麗な状態にリセットしたとしても、寝ている間にも皮脂は分泌され続けますし、寝汗もたくさんかくため、皮脂と汗で皮膚は汚れているわけです。
さらにいうと、皮脂や汗を餌に雑菌も繁殖しています。
入浴後に一歩も家の外に出ていないからといってお肌の状態が綺麗なわけではなく、お肌自らが生み出す皮脂や汗によって時間経過とともに汚れていきます。
汗は特に洗顔料を使用しなくても、水で洗えば洗い流すことができます。
朝起きた際の顔の皮脂量についてはかなり個人差があります。
寝起きの状態で既におでこや鼻がテカテカになるほどの皮脂量の方もいれば、それほど皮脂が分泌されておらず触ってもベタベタしない方もいるでしょう。
程度の差はあれ、朝起きた際の肌は皮脂で汚れていると考えた方が良さそうです。
洗顔料を使った洗顔は朝晩の2回がおすすめ
肌が皮脂でテカテカになるほどの脂性肌(オイリー肌)や混合肌の方は朝も洗顔料を使ってしっかりと洗顔を行った方が良いでしょう。
それほど寝起きの皮脂が気にならない方でも洗顔料をつけてサッと洗い流すという洗顔をおすすめします。自分では皮脂がないように見えても、実際には皮脂がある程度分泌されており、洗顔料を使わないことで皮脂の洗い残しがある場合は、残った皮脂が酸化し肌トラブルの元となるためです。
そして、大切なことは洗顔後の保湿ケアです。
どんなに低刺激な洗顔料を使い、正しい洗顔方法で洗顔したとしても、洗顔という行為は少なからずお肌への負担となりますし、皮脂を奪ったり、洗浄力次第ではお肌の潤い保持成分であるセラミドや天然保湿因子の流出につながったりします。
そのため、洗顔後はすぐに化粧水を使って潤い補給を行い、肌が乾燥しないようにケアしましょう。
朝に洗顔料を使って洗顔すると肌が乾燥してしまうから朝はぬるま湯で洗い流すだけにしているという方も、洗顔後すぐにしっかりと保湿を行ってあげれば乾燥から守ることができますので、まずはお肌を綺麗な状態に戻すという意味で朝から洗顔料を使って洗顔しましょう。
せっかく良い洗顔料を使って洗顔しても、洗顔後の保湿ケアを怠るとお肌の調子を整えることはできません。
スキンケアというのは「お肌を綺麗にすること」と「お肌を乾燥から守ること」の2つを合せて初めて満たされるものです。
どちらかのケアだけを頑張っても効果は半減してしまいますので、お肌を綺麗にするための洗うケアとお肌を乾燥から守る為の保湿ケアのどちらもしっかりと行なうようにしましょう。