あなたシャンプーで全身洗っちゃう人?のCMの違和感!シャンプー・ボディソープ・洗顔何が違う?
キンチョーさんのCMで俳優の滝藤賢一さんが「あなたシャンプーで全身洗っちゃう人~?」というセリフをおっしゃっているシーンを見てすごく違和感を感じました。
もちろん滝藤賢一さんの演技にではなく(演技は素晴らしいです)、シャンプーで全身を洗うことがいけないことの例として使われていたことにです。
キンチョーさんは皿を洗う洗剤とシンクを洗う洗剤は分けましょうよ!ということを主張したかったのだと思いますが、お皿はプラスチックや陶器などが多く、シンクはステンレスという種類の違いや、食器やお鍋は油汚れがメインでシンクはどちらかというと汚れだけでなく雑菌も洗い流したいということもあり、目的も多少異なってくるので洗剤を分けることは理解しやすいです。
ではシャンプーと洗顔、ボディソープなどが分かれている理由は例えば、洗顔で身体を洗ってはいけないとかボディソープで頭を洗ってはいけないという決まりがあるからなのでしょうか?
シャンプー・洗顔・ボディソープ何が違う?
シャンプーや洗顔、ボディソープを使用する身体の部位で何が違うのか考えてみましょう。
・シャンプー:頭皮と髪を洗う
・洗顔:顔を洗う
・ボディソープ:顔より下身体全般を洗う
頭皮も顔も身体も全て皮膚でつながっています。
そうなるとなぜわざわざ頭と顔とそれ以外で洗浄剤を変える必要があるのかということの方が疑問に思いませんか?
皆さん、物心ついた頃から、家の中にはシャンプー、洗顔、ボディソープが用意されていて、シャンプーが切れたら新たにシャンプーを買いに行く、洗顔がなくなったら新たに洗顔を買いに行く、シャンプーや洗顔料の種類を変えることはあっても全部ボディソープで洗っちゃおうとはならなかったと思います。
しかも、スーパーやドラッグストアに行けば、シャンプーコーナー、洗顔コーナー、ボディソープコーナーって分かれていますし、ごくごく自然にそれぞれを分けて使う習慣が身に付いていたわけです。
なぜなら、親も自身が子供の頃から自然と分けて使っていて、どうしてシャンプーと洗顔とボディソープに分かれているのかなんて深く考えたこともなかったでしょうから。
シャンプーで顔を洗っていると聞くとおばけを見たかのごとく驚く人もいらっしゃいますが、逆にその人の頭皮と顔の皮膚ってそんな驚くほど全く別なモノで作られているのでしょうか?
もちろん、皮膚は皮膚であり、皮脂腺が多い箇所とか、毛の量が違うとか、皮膚の厚みが部位によって違うといったことはありますが、基本的に同じです。
そのため、シャンプー・洗顔、ボディソープと分かれているのはメーカーがモノを売る為という要素がかなり強いです。メーカーの戦略が人々の生活に根付いているわけです。
オーガニックとかノンシリコンとかも同じですよ。
メーカーや専門家がそういった単語を作らなければ、今も別にオーガニックやノンシリコンなんて流行っていなかったかもしれません。
オーガニックの最初には化学肥料や農薬を使わずに栽培しているんです。という人が現れて、それは体に良さそうですね、と共感する人が現れてといった感じで始まったんだと思います。(勝手な予想ですが)
ノンシリコンなんて完全にメーカーと美容師さんによって広められただけですしね。
ですが、厳密にいうと、シャンプーと洗顔、ボディソープは少しだけ違いがあったりします。
もちろんそれは洗浄部位の特徴の違いによってもたらされるものです。
洗うべき部位にある違いについて
頭・顔・身体同じ皮膚でつながっていますが、先程も言いましたとおり、皮脂量や毛の量など違いがあります。
また身体の場合は肛門やデリケートゾーンのような粘膜部分もあります。
頭の特徴
頭皮というのは皮脂分泌が多い箇所です。髪に隠れているので見えない部分ですが、ニキビができやすいとされる顔のTゾーンの2倍の皮脂量ともいわれています。
さらに、頭皮は髪で覆われており、汗と皮脂を髪が覆っているような状態なので頭皮の上が蒸れやすく雑菌が繁殖しやすい環境でもあります。
また産毛ではない髪の毛がぎっしりと生えているのも頭の一番の特徴と言えます。
顔の特徴
顔は皮膚が薄い目の周辺の箇所や皮脂が多いおでこと鼻のTゾーン、そして乾燥しやすいとされる頬や口周りをつないだUゾーン(フェイスライン)など顔の中でも特徴が色々わかれています。
男性の場合は口周りや顎からもみあげにかけて、頬などに髭が生えたりもします。
身体の特徴
身体は色々特徴があります。
関節の内側など脇や肘の内側、膝の内側などは皮膚が薄く、足の裏などは皮膚が分厚くなっています。
また前述したとおり、肛門やデリケートゾーンは粘膜でもあり、とてもデリケートです。
洗浄剤は部位ごとの特徴に合わせて調整されている
上記で挙げたように頭・顔・身体で同じ皮膚であっても若干違った特徴があります。
シャンプーや洗顔料、ボディソープはそれらの少しの違いに合せて調整されていることが多いです。
例えば、髪の多い頭の洗浄にはただ汚れを洗い流すだけでなく髪の保護などを行うためにコンディショニング成分が配合されていることが多いです。
ポリクオタニウム-10のような成分が特徴的ですね。
他にもエルカラクトンといわれるドライヤーの熱と反応して毛髪補修するような成分が配合されていたり、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa(別名ペリセア)と呼ばれるダメージ毛改善機能のある成分が配合されたりします。
要するにスキンケア+ヘアケアを合わせ持った洗浄剤がシャンプーとなります。
ですが、シャンプーでは上記のような成分は控えてトリートメントに配合することも多いです。
シャンプーとトリートメントでは役割が異なり、シャンプーは洗浄、トリートメントは髪への栄養補給という違いがあるため、補修などはトリートメントに任せるのが一般的です。
ただ、最近はトリートメントいらずのシャンプー1本で大丈夫といった製品もありますので、そういったシャンプーの場合はヘアケア成分がしっかりと配合されていることが多いです。
お肌と髪は弱酸性だから弱酸性のシャンプーが優しくアルカリ性シャンプーは刺激が強いといった主張もありますが、アルカリ性で洗ったからといってずっと肌や髪がアルカリ性になることはありません。
特にシャンプーは弱アルカリ性であってもトリートメントが弱酸性であり、ちゃんとキューティクルを引き締めてくれるように作られている場合がほとんどなのでpH値はそれほど気にする必要はなく、それよりも洗浄成分自体の脱脂力、刺激性や毒性の方に注意すべきです。
顔はニキビが表れやすいため、皮脂落としを重視した洗顔料が多かったですが、最近では洗顔回数の多さや洗顔料の洗浄力の強さがニキビの悪化や肌の乾燥を悪化させるという考えが強くなってきたため、低刺激で潤いを守って洗える洗顔料が増えてきています。
身体の場合は粘膜もあったりするので弱酸性のものが主流となっています。
ただし、先程も言ったように弱アルカリ性のボディソープを使ったからといってずっと肌などがアルカリ性に傾くなんてことはなく、中和されまた元の弱酸性に戻っていきますので、洗い流して使うボディソープに関してpH値を気にする必要はありません。
シャンプー・洗顔料・ボディソープで成分の違いは?
まー全成分を見て頂くとわかると思いますが、石鹸シャンプーなら石鹸成分ですし、洗顔石けんでも石鹸成分です。
石鹸ではなく合成界面活性剤を使用していても、使われる種類に違いはありません。
シャンプーの洗浄成分として使われるラウリル硫酸Naなどの硫酸系界面活性剤が一時期問題となり、敬遠されたこともあってシャンプーにラウリル硫酸Naが使われることは少なくなりました。
洗顔やボディソープでは特に問題視されたことはないので、使われることもあるでしょう。
反対に洗顔やボディソープに良質とされるアミノ酸系やベタイン系の洗浄成分が使われることも多いので、ほとんど違いはありません。
配合量に関しては、シャンプーの方が皮脂汚れや髪の洗浄を考慮し、洗浄成分の量が多い傾向はあるかもしれません。
そして前述したとおり、シャンプーにはヘアケア成分がプラスされていることが多いです。
つまり、多少の違いはあれど、洗浄剤の品質を左右する洗浄成分の種類においてシャンプーであるか、洗顔料であるか、ボディソープであるかによって違いはほとんどなく、ヘアケア成分の有無などの違いがあるくらいなので、シャンプーで顔を洗ったり、身体を洗ったりすることがいけないわけではありません。
問題があるわけではなく、「顔や体にヘアケア成分は特にいらないよね」くらいです。
どんどん商品カテゴリの細分化が進んでいますが、敏感肌用と言われれば、敏感肌ではない方は私は無関係だと思い、赤ちゃん用と言われれば大人である自分には無関係だと無意識に思ってしまうものです。
ですが、カテゴリ分けされる一番の理由はメーカーが売りやすいようにということなので、赤ちゃん用を大人が使っても、敏感肌用のものを普通肌の方が使っても全く問題ないわけです。
むしろ「赤ちゃん用で低刺激だから敏感肌の大人が使っても良いはずだよね」と、メーカーが分けてくれたカテゴリを応用してやろうくらいの考えを持ってもいいくらいです。